五輪は新時代の日中関係を映す鏡 武藤敏郎氏

人民中國  |  2022-06-13

五輪は新時代の日中関係を映す鏡 武藤敏郎氏。

タグ:五輪

発信時間:2022-06-13 10:40:35 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 東京オリンピック?パラリンピック競技大會組織委員會事務総長

「東京―北京フォーラム」日本側指導委員會委員長

武藤敏郎(談)


今年2月、私は東京オリ?パラ組織委員會の事務総長として北京冬季五輪の開幕式に招かれたが、それ以前にも中國には何度も足を運んでいる。

 

中國のエネルギー

初めての訪中は2005年か06年、中央銀行の副総裁として行ったのだと思う。當時は上海の浦東地區がまだ工事中で、黃浦江を挾んだ広大な土地がまだ建設現場のような狀態だった。10年の上海萬博にも、出張ついでに足を運んだ。その頃の上海はすでに立派に発展していて、中國のエネルギーに感服した記憶がある。

10年は名目GDP(國內総生産)で中國が日本を抜いて世界第2位の経済大國になった年だ。1970年に大阪萬博が行われ、その40年後に上海萬博が行われた。また、前回の東京五輪は1964年で北京五輪は2008年と、44年の差がある。つまり中國は、およそ40年の時間をかけて日本の後を追い掛けてきているということだ。

今では中國のGDPは日本の3倍くらいになっているが、1人當たりではまだ日本の4分の1だ。よって一人一人の豊かさではまだ途上にあるということだと思う。

中國は発展のスピードを増し、日本との距離がどんどん縮まっているので、1人當たりのGDPが追い付く日も近いのかもしれない。中國が今後も発展するのは間違いないが、高齢化社會などの課題は少なくない。その課題をいかに解決するかが、今後の発展にも関わってくるだろう。

 

日中交流に寄與した五輪協力

北京冬季五輪の際は開會式に參加するだけだったので、數日しか滯在できなかったが、非常に厳格なコロナ対策が行われ、安心して滯在できた。選手村も見學した。北京大會は成功裏に終わったと思っている。

殘念ながら北京の街には出られず、車中から見るだけだった。コロナ対策のためにはやむを得ないことだが、ホテルから鳥の巣(國家體育場)や選手村までの移動中に車中から見た感じでは、オリンピックのためによく整備されているという印象だった。

日本はコロナ下に東京五輪を行い、多くの人から感動の聲が出た。その際に作ったコロナ対策「プレーブック」にはPCR検査の頻度、行動規制、陽性時の隔離などを列記し、アスリート向け、プレス向け、國際競技連盟向け、IOC(國際オリンピック委員會)向けなど、対象別に內容を変えて厳密な內容にした。このプレーブックは、北京冬季五輪組織委員會にも內容を共有していただいた。東京大會のノウハウをもとに、中國獨自の方法も加えたことだろう。東京大會の知見が北京で生かされ、とてもうれしく思っている。

北京冬季五輪は東京大會同様チケット販売を諦めた。日本は一部地域で観客を入れ、東京とその周辺では無観客開催だったが、北京では招待された市民がかなり大勢入場していた。開會式だけ見ても數萬人単位で入っていたと思う。おそらく検査などを徹底した上での入場だったのだろう。観客を入れたことで感染拡大したという話はなかったし、有観客開催はとても良い決定だったと思う。東京もそれを望んでいたが、実現できなかったのがとても殘念だった。北京で実現できたのは、とても喜ばしいことだ。

オリンピック?パラリンピックはアスリートの大會ではあるが、スポーツの祭典という枠組みを超え、社會を変える力を人々に與える影響力があると私は思った。そんな大會がアジアで2年連続開かれたことは意義があると思うし、日中交流にも寄與したと思う。

 

世論調査から見える希望

今年の1月、私は「東京―北京フォーラム」の日本側指導委員會委員長に正式就任した。フォーラムでは両國の國民感情を毎年のように世論調査してきたが、殘念なことに、昨年の結果は今までの中でも悪い部類だった。その原因は冷靜に分析しなければならないが、まずはその事実をお互いが認めなければいけないだろう。

一方、両國民とも日中関係は大切だとは思っているので、その點には希望が持て、貴重な結果を得られたと思っている。よって、この考え方をどのように発展させ、現実のものにしていくか、そのためにはどうすべきかを考えなければいけない。

日中間の経済関係は1990年代から深まり、今日では切っても切れない関係になった。世界の工場と呼ばれ続けてきた中國は、消費水準が高まることで、今や世界のマーケットにもなった。日本経済は中國経済をサプライチェーンとして一體化していると言える狀態で、もう逆戻りはできないと思う。実際、何らかの要因で中國での部品の製造が滯ると、日本の完成品の製造も滯るといったケースは數多く起こっている。中國にとっても日本はなくてはならない存在だ。そうした狀況を見た國民が、日中関係は大切だと考えているのだろう。

 

対話で相互理解を促進

しかし世界の現在の政治狀況では、政府間の関係を良くし続けるのはなかなか簡単なことではない。その點についても、われわれ民間は解決策を考えていきたいものだ。

最も効果的な解決策は、やはり対話を続けることだろう。それが相互理解を深める鍵になる。両國民の間には多様な考え方や感情があるが、対話なしには相互理解は不可能だ?!笘|京―北京フォーラム」はまさにその対話をし続けてきた。このような狀況だからこそ、われわれがやってきたことを大切にしたいと思っている。

今年は日中國交正?;?0周年という節目の年であり、この歴史を無にしてはいけないと思うが、現狀でわれわれがすべきことは、決して簡単ではないだろう。

対話が大切だということは先に述べたが、結局われわれの最終的な関心事は、平和と共存だ。これを見失ったら全てがうまくいかなくなる。それをどのように実現するかを対話で探るのだが、経済なら経済、安全保障なら安全保障と、それぞれの専門家がしっかりと対話をしていくことが大事だ。それも一般的、抽象的な事柄を議論するのではなく、具體的でリアリスティックな対話でなければいけない。

ポジティブシンキングと未來志向も大切なことだ。過去を振り返ることも大切だが、そこで終わってしまっては意味がない。ポジティブな未來志向の対話を心掛けることが大切だ。

世論調査の結果の通り、今の日中関係は、どちらかというとネガティブな方向に向かっているということは認識している。だからこそポジティブ思考が大切だ。この局面を前に進める方法は、他にないだろう。

オリンピックの運営をしていると、世界には多種多様な人類がいることに改めて気付かされる。言葉、宗教、習慣は実にさまざまだ。そんな世界において、自分と異なる価値観を持つ相手を否定すれば、物事はネガティブな方向に向かってしまう。多様性を認め合い、その上で平和?人権といった人類共通の価値観を共有し、どうしたらポジティブな発展ができるのかを考えるのが、われわれが出すべき知恵だろう。

(聞き手=王朝陽 構成=呉文欽)

人民中國インターネット版 2022年6月13日


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